vol.5 自衛隊が金曜日にカレーを食べるって本当?間違った説と本当の理由を解説

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編集者 / BBマーケット編集部

自衛隊の「美味しい」と「かっこいい」をお届けします!株式会社ファインが運営する「BBマーケット」編集部です。

「自衛隊は毎週金曜日にカレーを食べる」――そんな話を耳にしたことはありませんか?
実はこれ、ただの噂ではなく、海上自衛隊を中心に実際に続けられている習慣なのです。
でも、なぜ金曜日にカレーなのでしょうか?ネット上ではいろいろな説が出回っていますが、中には間違った情報もあるようです。

この記事では、
・ 「自衛隊が金曜日にカレーを食べる理由」の真相
・ よくある誤解との比較
・ そして、おうちでも“金曜カレー”を楽しむ方法
をわかりやすく解説していきます。

ちなみに、在宅ワークなどで曜日感覚が薄れがちな現代でも、海上自衛隊では“金曜日=カレーの日”という習慣が曜日感覚を保つ手助けになっているとか。

「金曜日はカレーの日」。
ぜひあなたの食卓にも取り入れてみませんか?

1. 自衛隊が金曜日にカレーを食べるのは本当?

自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べている」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実はこの習慣、特に海上自衛隊で実際に行われている伝統的な食文化なのです。
毎週決まった曜日にカレーを食べることで、長期間の洋上任務でも“曜日感覚”を保つという実用的な目的があります。
艦内生活では日付や曜日の感覚が薄れがちになるため、「金曜日=カレーの日」というルールが、乗組員にとってはちょっとした“楽しみ”や“目印”のような役割を果たしているのです。

自衛隊が金曜日にカレーを食べるのは本当?

参照:海上自衛隊X(旧Twitter)

1-1. 海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べるのが習慣

海上自衛隊では「金曜日=カレーの日」がすっかり定着しています。

この習慣は、長い艦内生活で薄れがちな「曜日感覚」を保つために始まったとされており、今では多くの部隊で毎週金曜日にカレーが提供されるのが当たり前となっています。

例えば、舞鶴市ではこの文化を活かして「金曜日はカレーの日プロジェクト」を立ち上げ、町ぐるみで海自カレーを盛り上げる取り組みが行われています。
地元飲食店でも“金曜限定カレー”を提供するなど、ご当地グルメとしても注目を集めています。
ただし、実際の運用では行事や任務の都合により曜日が前後することもあるそうです。
それでも基本的には「金曜カレー」の伝統が各基地で守られています。

ちなみに、陸上自衛隊でもカレーは人気メニューですが、曜日の指定はなく、駐屯地ごとに異なるタイミングで提供されるケースが多いようです。

1-2. 毎週金曜日にカレー?それでも飽きない理由とは

毎週カレーを食べていて飽きないの?
そんな疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、海上自衛隊カレーは隊員から“楽しみな人気メニュー”として親しまれているのです。

その理由のひとつが、艦艇や基地に所属する調理のプロ集団「給養員(きゅうよういん)」の存在です。
彼らはただ栄養を届けるだけでなく、「艦内の士気を高めるための食事」を使命として、具材やスパイス、隠し味にまでこだわったオリジナルカレーを毎週作り続けています。
しかも、毎週“同じ味”ではありません。

艦ごと・部隊ごとに工夫を凝らした「部隊カレー」が存在し、例えばビーフカレー・チキンカレー・シーフードカレーなど、レシピが週ごとに変わるのも大きな魅力です。
こうして“飽きさせない工夫”が施されているからこそ、金曜日のカレーは海上自衛隊員にとって週に一度の楽しみになっているのです。

実は、そんな海上自衛隊の“本気のカレー”を、家庭でも楽しめるように再現した「部隊カレー」のレトルト商品が通販で手に入るんです。
具材の工夫や隠し味のテクニックまで、艦めしの再現度にこだわった逸品ばかり。

金曜日はカレーの日」――
あなたもご自宅で、自衛隊員さながらの“艦内気分”を味わってみませんか?

2. 自衛隊の「金曜日はカレー」説には誤解も?

海上自衛隊が毎週金曜日にカレーを食べるようになった背景について、実は一部に誤解や間違った情報が広まっています。
SNSやテレビなどでよく見かけるのは、「なるほど!」と思ってしまいそうな説ばかりですが、実際には事実とは異なる内容も。

ここでは、特によく知られている“誤解されがちな2つの説”をご紹介し、それぞれがなぜ間違っているのかをわかりやすく解説します。

2-1. 「曜日感覚を保つため」という説は間違い?

「海上自衛隊では、長期間の洋上勤務で曜日感覚がなくなってしまうため、週に一度“金曜日にカレー”を出してリズムを整えている」。
そんな話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
確かに、艦内で交代制の勤務を続けていれば、昼夜の感覚がずれて曜日の感覚が曖昧になる…というのは、なんとなく納得できそうな話ですよね。

しかしこの説、実は事実ではありません
そもそも、海上自衛隊の隊員は“航海のプロ”として、正確な時間・日付・位置を把握するのは必須の任務
曜日感覚を失ってしまうようなことは、あってはならないことなのです。
この「曜日感覚キープのためのカレー説」は、金曜日にカレーを食べる習慣が広まったあとで、もっともらしく後付けされたエピソードと考えられています。

2-2. 「旧海軍の伝統がルーツ」という説も誤解?

「海上自衛隊が金曜日にカレーを食べるのは、旧日本海軍からの伝統だから」――
そんなふうに紹介されることもありますが、実はこれも正確な情報ではありません
たしかに、明治時代の日本海軍では、脚気(かっけ)対策としてイギリス式の食事が導入され、カレーライスが兵食に採用されたことは事実です。
その証拠に、明治22年には『五等厨夫教育規則』にカレーの調理法が記され、さらに明治41年の『海軍割烹術参考書』にもレシピが掲載されています。

しかし、「毎週〇曜日にカレーを出していた」という記録はどこにも存在しません
当時のカレーは今のようにルウがあるわけではなく、カレー粉から作る手間のかかる料理でした。
そのため、週1回のペースで気軽に出されていたとは考えにくく、「旧海軍の伝統が今に受け継がれている」というのは、やや美化された後世のイメージといえるでしょう。

3. 自衛隊が“金曜日にカレー”を食べる本当の理由

「金曜日はカレーの日」――
海上自衛隊に根づくこのユニークな習慣には、実はれっきとした理由と歴史的な背景があります。
ここでは、「なぜ週末にカレーを食べるようになったのか」、そして「なぜ金曜日がカレーの日になったのか」、その経緯をわかりやすく解説します。

自衛隊が“金曜日にカレー”を食べる本当の理由

参照:海上自衛隊ホームページ

3-1. カレーが週末の定番メニューになるまでの背景

自衛隊カレーのルーツは、明治時代の旧日本海軍にまでさかのぼります。
海軍で初めてカレーが記録に登場したのは、明治41年(1908年)発行の『海軍割烹術参考書』
この本には、兵士向けの食事として栄養バランスを考慮したカレーレシピが紹介されており、これが“海軍カレー”の原型とされています。

当時の海軍では、白米中心の食事により「脚気(かっけ)」という病気が深刻化していました。
そこで、イギリス海軍を参考にし、肉や野菜をたっぷり使った栄養価の高いカレーが導入されたのです。
まさに「おいしい」だけでなく「体を守る」ための食事として重宝されていたわけですね。

その後、昭和30年代以降には市販のカレールーが普及
調理が簡単で洗い物も少なくて済むことから、自衛隊でも半日勤務の土曜日にカレーを提供する部隊が増加していきました。
こうして、カレーは週末の定番メニューとして自然に定着していったのです。

3-2. なぜ“金曜日”なの?週休2日制とカレーの意外な関係

現在ではすっかり定番となった「金曜日はカレーの日」という海上自衛隊の習慣。
でも実は、この慣習が始まったのは週休2日制の導入がきっかけでした。
昭和の後期から平成にかけて、民間企業を中心に日本全国で土日休み(週休2日制)が一般化していく中、海上自衛隊の一部部隊でも週末休みを導入する動きが見られるようになりました。

もともと、土曜日の昼に提供されることが多かったカレー
その背景には、「調理が簡単で片付けもラク」「栄養バランスがよく満足感がある」「隊員からの人気が高い」といった理由がありました。
そして土曜日が完全休養日になる部隊が増えたことで、週末の“カレーの日”が金曜日に前倒しされたのです。

この流れが自然に定着し、いまでは「金曜カレー」が海自の伝統メニューとして知られるようになったというわけです。

4. あなたの食卓も“金曜カレー”にしてみませんか?

国民食として不動の人気を誇るカレー。

実は、自衛隊に習って「金曜日=カレーの日」にしてみるのも、ちょっとした楽しみになります。
海上自衛隊では、週末への区切りとして金曜日にカレーを食べる習慣があります。
このルーティンを自宅でも取り入れてみると、曜日感覚がリズムよく整ったり、金曜の気分が少し明るくなったりと、ちょっとした“整え習慣”にもなります。

「でも海自カレーって、どうやって食べられるの?」
そんな方のために、自衛隊カレーを楽しむ方法を3つのスタイルでご紹介します。

あなたの食卓も“金曜カレー”にしてみませんか?

参照:海上自衛隊X(旧Twitter)

4-1. 在宅ワークで“曜日感覚”がなくなった方にぴったり!

コロナ禍で在宅勤務が定着し、「今日は何曜日だっけ?」と感じる方も増えてきました。
そんな中、海上自衛隊がX(旧Twitter)で提案したのが『金曜日は在宅カレーの日』というユニークなアイデアです。

これは、金曜日にカレーを食べるという自衛隊の習慣を、自宅でも取り入れてみませんか?という呼びかけ。
「曜日感覚を整えるちょっとした習慣」としてSNSで話題を呼びました。
実際に海自では、外出自粛中の人たちに向けて、バーチャル花見などの企画を展開しており、この「金曜カレー」も、自宅にいながら楽しめる“気分転換の工夫”のひとつとして紹介されたのです。

金曜日にカレーを食べる——たったそれだけで、週末がちょっと楽しみになる。あなたの食卓でも“艦めし気分”を味わってみませんか?
自宅で“金曜カレー”を始めたくなった方へ――

4-2. 金曜日に“自衛隊カレー”を楽しむ3つの方法

「せっかくなら金曜日に、自衛隊カレーを実際に食べてみたい!」そんな方のために、自宅でも気軽に楽しめる3つの方法をご紹介します。

① 公式レシピで手作りにチャレンジ!
海上自衛隊の公式サイト「艦めし」では、艦艇・部隊ごとに工夫された本格レシピが多数公開されています。
2025年6月時点でカレーだけでも全66種類が掲載されており、ご家庭でも“艦内グルメ”を再現可能。また、陸上自衛隊の公式サイトにも駐屯地ごとのレシピが特集されており、それぞれの“自衛隊の味”を比べてみるのも面白いポイントです。

② 忙しい方はレトルトで手軽に!
「料理する時間がない」「気軽に試したい」という方には、レトルト版の自衛隊カレーがおすすめです。
本物の味を再現したレトルトカレーは、部隊ごとの個性が楽しめるバリエーション豊かな商品展開が魅力。

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③ ご当地グルメとして現地で味わう
全国各地の基地周辺には、実際に部隊から認定された飲食店が多数存在します。
たとえば「呉海自カレー」や「横須賀海自カレー」など、現地の店で提供される一皿は特に人気。旅行や出張の際に、ぜひ一度足を運んでみてください。
このように、自衛隊カレーは「作る」「買う」「現地で食べる」と多彩な楽しみ方があります。
次の金曜日は、あなたも“カレーでミリタリー体験”をしてみませんか?

5. まとめ|“金曜日カレー”で、日常にちょっとした楽しみを

海上自衛隊では、毎週金曜日にカレーを食べるという独自の習慣があります。
その背景には、週末勤務や部隊の食事事情、そして時代とともに変化した勤務体系など、さまざまな歴史的経緯がありました。

“自衛隊カレー”はただの食事ではなく、隊員たちの楽しみであり、生活リズムを保つための知恵でもあります。
そして今ではその習慣が一般にも広まり、在宅勤務やコロナ禍での生活リズム維持にも役立つと注目されています。

今日は金曜日。じゃあ、カレーにしよう!
そんな小さなきっかけが、日々の生活に“ちょっとした楽しみ”をもたらしてくれるかもしれません。
家庭で再現したり、レトルトで気軽に取り入れたり、自衛隊グルメを味わう方法はたくさんあります。
金曜日のカレー習慣を、あなたの暮らしにもぜひ取り入れてみてください。

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