自衛隊の部隊運用を一元指揮する「統合司令官」が本格検討へ

出典:防衛省・自衛隊ホームページ 市ヶ谷地区見学
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今日も、三ノ瀬れもんが自衛隊の活動を紹介するから読んでみてね♪

ウチの今回の注目はこれ!

防衛省において、陸海空自衛隊の部隊運用を一元指揮する「統合司令官」の設置と「統合司令部」創設の本格検討に入ったそうです。

目次

「統合司令官」設置に向けて

出典:海上自衛隊ホームページ 市ヶ谷地区見学
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陸海空自衛隊の部隊運用を一元指揮する「統合司令官」は、令和4年に起きたロシアによるウクライナへの侵略や中国の海洋進出の強まりによる台湾有事への懸念などから、本格検討が始まりました。また、「統合司令官」を支えるために「統合司令部」も創設されることになります。

現状の指揮体系として、統合幕僚長が事態対処責任者(フォースユーザー)として、陸上自衛隊の陸上総隊司令官や各方面総監、海上自衛隊の自衛艦隊司令官や地方総監、航空自衛隊の航空総隊司令官に対して、防衛大臣による指揮命令を統合幕僚長が執行します。法令上、防衛大臣の指揮命令に対して、統合幕僚長は、大臣の補佐や命令の執行となるものの、実質的に武官の最高位である統合幕僚長が指揮命令を行っています。

しかし、有事に際して、内閣総理大臣や防衛大臣への補佐と陸海空自衛隊の指揮の2つの任務に対応しきれないことがあります。つまり、補佐の任務をすれば、部隊運用に専念ができず、部隊運用に専念すれば補佐任務が滞ってしまいます。それは、東日本大震災のときの経験に基づくものです。

令和4年に起きたロシアによるウクライナへの侵略のような、自衛隊を総動員する事態に際して、現状の統合幕僚長の役割では、内閣総理大臣や防衛大臣の補佐はできても、部隊運用までは行き届かなくなる可能性があります。そのため、一元指揮する「統合司令官」や「統合司令部」の本格検討への至ったと考えられます。

多次元統合防衛力の時代

平成31年度に出された防衛計画の大綱や、平成31年度から令和5年度までの中期防衛力整備計画において「多次元統合防衛力」の内容が記載されています。

多次元統合防衛力は、陸海空の従来の領域だけではなく、宇宙やサイバー空間、電磁波、情報による影響力工作といった、それぞれに専門性を持つ領域の能力向上や、すべての領域における能力を有機的に融合させて事態対処する必要性から、計画に盛り込まれています。

ロシアによるウクライナへの侵略においても、従来の陸海空による軍事だけではなく、情報窃取や通信などの妨害を意図したサイバー攻撃、インターネットやメディア、国際会議の場を通じた国際世論の誘導による影響力工作などの非軍事的な部分の戦いも行われています。

軍事や非軍事のすべてに対する防衛力として多次元統合防衛力を構築していくことが求められ、陸海空の他、すでに創設された宇宙、サイバー、電磁波を取り扱う部隊運用を含めて一元指揮するのが統合司令官の役割になります。

ここまで三ノ瀬れもんが紹介してきました。

それでは、またお会いしましょう!

また次も紹介していくので読んでくれよぉ~

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